2018年11月現在の南相馬市市長である門馬和夫市長は、2018年1月の市長選で当選しました。

まだ当選から1年経っていないことから、基本方針は市長選におけるマニフェストから読み取ってみようと思います。

市長選で使用されていたパンフレットはhttp://kazuo-momma.wixsite.com/pageから参照することができました。

「100年のまちづくり」を掲げて当選

パンフレットの表紙のメッセージには

“市民が安心して暮らせるまちを目指します。そのためには、今を生きる私たちだけではなく、子ども の世代やその先の世代を見据えたまちづくりが必要になります”

とあります。現在の南相馬市の状況では「生活再建の見通しがつかず、将来への 不安がぬぐい切れずにいる」ことから、この不安を解消する = 目先のことだけではなく子供や先の世代を見据えたまちづくりを計画していこう、という趣旨だと思われます。

では、「子供や先の世代を見据えたまちづくり」とはどんなまちづくりを指しているのか、具体的な部分を見ていこうと思います。
パンフレットには、4つのトピックとして、

  • 「教育・子育て」
  • 「インフラ」
  • 「医療・介護」
  • 「産業」

が取り上げられていましたので、それらの内容を順番に紹介します。

教育・子育て – 誰もが公平に、高い教育水準を


門馬和夫のホームページ より抜粋引用

教育・子育てについては、待機児童の数が増加しているデータを引き合いに、待機児童の解消を含めた保育の支援の充実を掲げています。

門馬和夫のホームページ より抜粋引用

また、門馬市長は議員時代に地域の公立小中学校の学力テストの結果について取り上げ、「(当時掲げていた)全国トップレベルの学力にはほど遠い」と問題提起しています。それ以外にも市内の学生を海外に連れて行くようなプログラムを市でつくればよいのではないかという提案なども見つけることができました。

門馬和夫のホームページ 個人会報12号 より引用

今回のマニフェストもその考え方がそのまま引き継がれた施策提案になっていると思われます。全体をみると、「誰もが公平に、高い水準の教育を受けられるように」というメッセージを読み取ることができそうです。

インフラ – 人口減少社会を見据え、メリハリを

門馬和夫のホームページ より抜粋引用

インフラの項目では、原発災害対応を含めた市民や市外とのコミュニケーションについてと、インフラ整備の大きな方針について取り上げています。

特に、インフラ整備については、市のインフラにおける今後の将来負担増が明らかであることを指摘し、「メリハリのきいたインフラ整備」と言い切っていることから、むやみにインフラ整備にお金を使わないようにしようという姿勢が見えます。

議員時代の活動を掘り返すと、小高区の復興拠点施設の建設について「しっかりと議論をすべき」という主張をしていて、その理由として他の施設との重複や、市民が本当にもとめているのか検討が不足していることなどを上げています。

逆に必要だと言っているもので多いのが、高速道路のスマートインターチェンジや4車線化、福島市方面につながる道路の整備、JR常磐線の再開など、移動網に関する項目が多いように思います。都市部への利便性を高めることが地域の住民や産業のニーズと直結すると考えてのことなのだろうか、とは思いますがその理由を具体的に述べている部分は見つかりませんでした。

個人的には、若い住民の方に聞くと、週末は仙台などに買い物にでかけることが多いという話もよく聞くのでそういったニーズを汲み取ってのことなのかなと推測しています。

医療 – 医療体制の確保と、健康づくりによる医療費の抑制

門馬和夫のホームページ より抜粋引用

南相馬市では震災後、医療費が大幅に増加する一方で、医療機関の減少や医師の確保ができない問題から、十分な医療にかかることが難しくなっています。

医療期間の充実施策もそうですが、運動習慣作りや健康づくりの運動を市民に浸透させることで、「医療にかからなくても健康」な市民を目指していこうというメッセージも読み取れます。

これ以外に、ボランティアで訪問医療を続けている先生や、遠隔診療の試みもはじまっています。

産業 – 「企業」誘致よりも社会の変化に対応できる「人材育成」

門馬和夫のホームページ より抜粋引用

南相馬市は震災後、イノベーション・コースト構想という大きな産業基盤構築の取り組みの中で、ロボットテストフィールドとしてドローンの飛行試験場などの立地が決まり、建設がはじまっています。

福島イノベーション・コースト構想は、東日本大震災及び原子力災害によって失われた浜通り地域等の産業を回復するため、当該地域の新たな産業基盤の構築を目指すものです。廃炉、ロボット、エネルギー、農林水産等の分野におけるプロジェクトの具体化を進めるとともに、産業集積や人材育成、交流人口の拡大等に取り組んでいます。

http://www.pref.fukushima.lg.jp/site/portal/list275-1006.html

そのため、地域内では「ロボット」がキーワードとなり、産業をつくっていこうという指針が打ち出されていたものの、それを具体的にどう地域に落とし込んでいくのかということについてはあまり議論されていませんでした。大きな企業を誘致するのか、誘致するにしても企業ごとなのか工場なのか、地域の既存産業はどのようにそこに関連していくのかということについて明確な指針はありませんでした。

今回市長選において門馬市長が「社会や技術の変化に対応できる『人』を育てる」と打ち出したことにより、一つの方向性が示される可能性があります。

地域内には小高産業技術高校という実業高校や、テクノアカデミー浜という技術系の専門学校があります。こうした教育機関が注目されていく可能性もありそうです。

まとめ – 「標準的」から一歩踏み込んだ色は?

市レベルの政策資料だと、どうしても内容が総花的になり、「他の地域でも同じようなことがいえる、似たり寄ったりな方針」になりやすいと考えています。

その中で門馬市長の色が見える部分としては、「

  • 若い世代に選んでもらいやすい子育て教育環境を整備し
  • 将来的にインフラ投資の負担や、老朽化などのツケを払わされないように
  • 若い世代を育て、ロボット産業を軸に地域の産業をもり立てていこう

という、次の世代に向けた政策を強く押し出していこうという色が見えてきました。
まちを続けていくためには、何よりも次の世代に選ばれることが重要であるとし、そのためにデータを示しながら市民全体の納得感を醸成していこうというような考えなのかと思います。

今回はほとんどがパンフレットの内容を紹介するだけとなってしまいましたが、市長からのメッセージなどを拾え次第、随時こちらの情報もアップデートしていこうと思います。

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