小さなコミュニティ形成について南相馬から学びたい

小さなコミュニティ形成について南相馬から学びたい

 早稲田大学大学院アジア太平洋研究科修士課程に在学中のリンさんはお試しハウスを利用し、まち体験プログラムに参加しました。

小高出身の方に話を聞くリンさん

 リンさんは学院のゼミで人口1万人程度の地域づくり・コミュニティづくりをテーマに研究を進めています。出身はシンガポールです。教育への興味があり、4年前にALTの先生として日本へにやってきました。当時暮らしていたのは人口4万人程度のT市。高いビルが並ぶような都会ではなく、落ち着いた雰囲気のまちのようです。リンさんはT市に住んでいる間に地域のまちづくりの活動に積極的に参加している中で、住民と市や役場が望むまちづくりの意向にずれを感じたことをきっかけに、まちづくりへの興味が深まったと教えてくれました。

 リンさんは現在
・小さな町ではどのようにコミュニティがつくられていくのか
・市などの行政はどの程度サポートを行うか
・地域の職員や町民との関係やコミュニケーション

などにフォーカスして研究を行っています。
初めて南相馬を訪れたリンさんは、小高を中心にまち歩きを行い、住民に話を聞いたり、イベントを見に行ったりして過ごしました。

【リンさんの滞在中のスケジュール】
1日目:小高区の菜の花畑を見に行く
2日目:Odaka Micro Stand Barにて聞き込み
3日目:大悲山と町歩き(オムスビスタッフ同行)、お試しハウスにて論文を書き進める
4日目:浪江地区などをめぐるスタディツアーに参加
5日目:原町区のサムライフェスへ行く


菜の花畑(大富)
オムスビ代表の森山へのインタビュー

 OdakaMicroStandBar~オムスビ~では、地元の人に話を聞いていました。
ゴールデンウィークということもあり、いつもは市外で働いているけれど帰省している人に震災前の小高の様子をインタビューしたり、移住者の住民に話を聞くことで地元の人の考えを知る機会となったようです。まち歩き体験では、小高区の名所である大悲山を訪れた後に、駅前通りにある小高交流センター内の喫茶店カミツレで食事をしました。見ごろである菜の花畑へドライブやサムライフェスなどの季節行事も楽しんでいただけたようです。
 お試しハウスには、遠方から南相馬へ電車で来る方が自由に使える自転車の用意がありますが、南相馬は思いのほか広く、車移動が基本です。希望に合わせてスタッフが車でまち中を案内できるようにサポートも行っています。
※スタディツアーは別団体の企画によるものです。

スタディツアーでは海の方も周ります。

リンさんに感想をいただきました。

 南相馬へ来たのは初めて。大都会よりも田舎が好きなのでまちの雰囲気がとてもよく感じられました。コンパクトな地域だからか、イベントの情報などを得られやすく、いろいろな活動に参加しやすかったです。
 小高神社・大悲山にオムスビスタッフに連れて行ってもらい歴史の話を聞きました。この地域には古い歴史があることが分かりました。特に、大悲山の石仏は平安時代に造立されたことには驚きです。とても壮観で、平安時代の人々は現代技術を持っていない状態でこの大きい石仏が造立できて本当にすごいと思いました。小高神社では御朱印もいただいてきました!

 最終日に見に行ったサムライフェスでは、賑やかな雰囲気の中「戦国合戦」を見ました。次回はぜひ相馬野馬追にも来てみたいです。

サムライフェスの様子

 短い期間の滞在の中で歴史の勉強をすることができて良かったです。街並みもきれいで、カフェなどあり、小高区はかなり落ち着けるところだと感じました。スタディツアーに参加して、今後、福島、南相馬を含めた相双地区が観光地として発展していくか?ということが個人の研究として気になっているので、南相馬を再度訪れたく思っています。次回は地域のイベントに参加するだけでなく、計画の段階から関わったり、リアルタイムで話を聞いたりしたいです。

リンさん、お試しハウスのご利用ありがとうございました。
また研究のためにでも、南相馬にいらしてくださいね。

★お試しハウスは、学校の研究目的で南相馬を訪れる方も無料で宿泊できます。個人でも団体でも受け入れ可能です。
まちに滞在することで関わることのできる人や聞ける話があると思うので、ぜひお気軽にお問い合わせください。お試しハウスの予約はこちらから